病院の数が減少する背景

高齢化社会に突入して医療費も増加傾向にある中、病床のある病院の数が減少しています。国は、今後その数を増やさない方針となっていて、その代わりに在宅医療への取り組みが大きくなっている状態です。この在宅医療とは、患者の自宅で治療をしながら静養していくことで、定期的に医療スタッフが訪問して診察してくれる内容となっています。これであれば、大きな病気でない限りは入院する必要もなくなり、住み慣れた我が家で治療に専念できるという訳です。医療費を抑えていく目的も含まれてはいますが、この在宅医療の在り方についても、そのメリットが見直されるようになりました。多くの人の最期が病院で迎えている現状と比べて、実際には精神的にも落ち着ける自宅で迎えたいという人がほとんどです。延命治療を望まない考えを持つ人も多く、その治療への価値観が徐々に変わってきているといえます。このようなことから在宅サービスも充実され、その広がりもどんどん進んできました。開業医や勤務医が積極的にこのサービスに取り掛かるようになり、在宅専門の看護師も大規模な形で募集されています。それと同時に、リハビリ施設は増えてきており、病院や介護施設で併設されるなどして早い回復が期待されるようになりました。医療の形が幅広くなってきたことから、患者やその家族も自由に選択できるようになったのです。健康意識が高まる中、自然で無理のない医療サービスへの注目が集まる時代となりました。