欧米の先進国では日本と同様医療水準が高く、質の高い医療サービスが国民に提供されています。しかも、医療費が無料という国もあるのです。日本よりも、はるかに医療費が安い国は多くあります。しかし、日本と比べると決定的に異なる点があり、それこそが日本の最も素晴らしいところだと指摘されています。それは、国民健康保険制度による、全国一律の医療システムです。誰もが保険に加入していて、全国どの医療機関でも同じ治療に対して同じ費用が発生するという、世界でも例を見ないシステムです。このシステムにより、国民が安心して医療機関に足を運べることが保証されています。特に欧米の人が驚くことは、大学病院など大規模医療機関でも紹介なしで診察や治療を受けることが出来る点です。欧米では一般的に、かかりつけのホームドクターや地域の診療所が一次医療機関として社会に浸透しています。患者はまず地域の診療所に行き、診療してもらうのが一般的です。そこで診察された内容に基づいて必要な処置を受けたり、他の医療機関に紹介されることになります。大きな病院はほぼ完全な予約制で、いきなり訪問して診察してもらえることはありません。しかし、日本では軽い風邪でも大学の附属病院に行く人がいます。また多くの場合、当日診察や当日検査が行われています。これも、欧米の医療機関ではありえません。診察予約に1週間・検査の予約に2週間というのも当たり前で、治療が始まるのに1か月かかることも珍しくありません。これだけの低負担でこれだけ高い医療レベルの診察や治療をこのスピードで受けられる国は、日本だけだといえるでしょう。修正すべき点はあるでしょうが、いい点は残しておいてほしいものです。